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文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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戦国自衛隊1549

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1979年公開、半村良原作の角川映画「戦国自衛隊」を「ローレライ」「亡国のイージス」福井晴敏が書き直し。
総製作費15億円、陸上自衛隊による全面協力。

「自衛隊」「日本史」って両方ともマニアが多そうだから、監修も大変そう。。
双方のマニアでなく、1979年版も未見の私は「戦国自衛隊」というとてもB級くさい題名に一目惚れして観にいった。
そして観た感想は、思ったよりいまいち。

B級臭さを期待していたのに、思いっきり真面目に作ってあった。
原作者が「自衛隊が戦国時代という戦わざるを得ない時代にタイムスリップすることを通し、現在の日本における自衛隊の存在意義というものを、改めて皆さんに問い直せるような作品を目指しました。」と言っているように、「専守防衛」が決まりの自衛隊員達が、自分達の未来社会を「守る」ために実弾使用を逡巡したり、初めての実戦にとまどいながら臨む話だ。
主人公達は、結局実弾を使って正義の「防衛」戦に臨むので、原作者の「皆さんに問い直せる」方向がどっちに向いているかがわかる。
現在の日本の状況から敵の織田信長が近隣の某国々を指しているだろうことは想像にかたくなく、この映画の言ってることはぶち切れながら叫ぶ軍国主義者の「話の通じない相手に攻められたらどうするんだ」と言ってるのと同じことなのだ。
ただの自衛隊・歴史マニア映画にしとけば良かったものの、変な理屈付けをしたために胡散臭くなってしまい、興醒めしてしまった。
時期的に多少こういう方向性の話になっていることはある程度想像していたが、実際こういう結果になっているのを見て、無邪気に殺しまくったり壊しまくったりむちゃくちゃやってた時の方が、本当は社会的に平和だったのかもしれないと思った。

また、全面協力という陸上自衛隊兵器・装備は、ほとんど陸上自衛隊広報センターで見れるようなものばかりで、がっかりだった。無理は承知だが、素人目にはもっとエグイ形態のものが観たかった。でも(あまりリアルでないCG多様が気になりはしたが)さすがに迫力はあった。

歴史の描写については、戦国時代の勢力地図と人間関係、年表は当然頭に入っているもの、という前提で話は進められ、知ってる人にはサクサク進んで良いだろうが、詳しくない人は置いていかれるだろう。
織田信長率いる「天導衆」の旗印はいかにもアニメっぽいデザインでおもしろかった。
by 44gyu | 2005-06-03 21:28 | ★★