文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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<   2005年 02月 ( 15 )   > この月の画像一覧

スキャンダル

公式サイト

18世紀末、李朝末期の朝鮮。放蕩者の主人公と女達の物語。

韓流好きからは不評のようだが、韓流が苦手な私には大変満足な映画だった。
ミーハー気分で観たのだが、韓国映画で苦手な大泣き(カンヌ受賞の「オールド・ボーイ」も例外でなかった)、ドタバタ、ワンレングスのヒロインが一切なし。ストーリーも画面も洗練されていて美しく、感情を押さえた演技がさらっとしていて気持ちよかった。

なんといっても一番の見どころは画面の美しさだろう。
衣装は韓国の有名ファッションデザイナーによるものらしいが、落ち着いて上品な色会わせのチマ・チョゴリや小物が美しくかわいらしい。また女性達の髪型も必見だ。18世紀というのはフランスの高く盛り上げ、過剰に装飾した奇抜なヘアスタイルをはじめ、日本の花魁のものもだんだん大きくなってくる頃だ。この映画の女性達の髪型も、異様に大きく豪華で美しい。大きく結って飾っていないヒロインの髪型も、カンザシのワンポイントが洗練されていて素敵だ。
また成熟した韓国王朝文化の様式美の表現も興味深い。化粧をする時の化粧道具や手順、手紙を書く時の硯を摺る所作、食事の風景などだ。ふすまや掛け軸、刺繍の図柄の美しさも目を引く。ゆったりとして時に退廃的にも見えるのがとても優雅だ。
冒頭で主人公が描いている春画は、公式サイトでよく見たらけっこう稚拙だったが、素朴な色合いと柔らかいタッチが綺麗だ。
何気ない背景である自然にも気を抜いていない。窓から見える緑は目が覚めるような緑で、無彩色と茶色の建物と良いコントラストになっている。池や森の中のシーンでも、衣装の鮮やかさを引き立てるように緑一色か、くすんだ色におさえてあって、とても気を使ってあるのを感じる。

一番良かったシーンは、色々あるがやっぱりヒロインの最後のシーンだ。そこだけ観ても泣けてくる。大泣きされるよりもずーーーっとヒロインの痛みが理解できるし、雪原の白さとシーンの潔さが相まって目にも心にも突き刺さるものがあった。

しかし、登場人物達の細かな心理描写がちゃんと描けていればもっと良かったなと思った。主人公がヒロインに次第に引かれていく様子や、主人公の従姉妹が嫉妬している様子がいまいち分かりづらかった。そこは結構物語として重要なとこだったかもしれない。

そんなわけで、この映画はただぼーーーっと観ていても十分楽しめるし、ストーリーを追ってもくどくない悲恋に感動できる。
話題だったヨン様も、完璧な美男子ではなく、顔が良いだけで人でなしの最低男を演じているところもおもしろかった。去年からイメージチェンジを図っているらしいが、特にヨン様ファンでない私も腿毛が見えたのはちょっとショックだったくらいだ。正直ヨン様は松尾スズキに見えたし、これからも色んな役に挑戦してもらいたい。
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by 44gyu | 2005-02-08 22:03 | ★★★★

トゥームレイダー2

公式サイト

「オペラ座の怪人」ファントム役ジェラルド.バトラー繋がり第3弾。

「トゥームレイダー」。かつてハマりにハマって、自分でララのTシャツ作って着てたという懐かしい思い出があるゲーム。当時は世界的にララ・クロフトのキャラクターが大流行りで、ララの巨大バルーンや、ララコスプレ等のニュースが雑誌などで賑わっていた。私にとっても他のトゥームレイダーファンにとっても、ララ・クロフトは特別な存在なのだ。遅ればせながら1作目が映画化されるという話を聞いた時は、やっとか、やはりな、と思ったものだった。ララ役のアンジェリーナ・ジョリーは見た目もぴったりで、ゲームでのコスチュームも忠実に作られてあり、二丁拳銃を構えるお馴染みのポーズもララそのもの。

しかし、やっぱりというかしょうがないというか、1作目も今回の2作目も期待はずれだった。
まず、ララが恋愛するっていうのは違和感がある。映画だから恋愛要素が入るのはしょうがないにしても、今回のバトラー演じる、性格の悪い裏切り者の傭兵がララの相手だなんてありえない。ララは完璧な女のはずなのに、男を見る目はないってのはどうなんだ。
また、アクションシーンが少ない。ララのアクションの基本は跳ぶ、よじ登る、のはず。今回の映画では、やたら空を飛んでいたような気がするが、もっとアンジェリーナ自身の肉体アクションが見たかった。

だが、悪いシーンばかりでもなかった。冒頭の「月の神殿」あたりでは、壮大で神秘的な古代の建造物がすばらしく、建物の感じやララのアクションがゲームそのもので胸が熱くなった(言い過ぎ?)。
また、クロフト邸の描写もゲームそのもの。庭や玄関はよくここまで忠実に作ったなあと感心した。玄関横の鉢植えの木までちゃんと置いてあり、うれしかった。ここで闘ったなあ、と懐かしくなった。

ストーリーは、大雑把でかなり無理があるように思った。「生命のゆりかご」って言葉の解釈が世間一般のものと違っているような気がするし、「パンドラの箱」の中身のウイルスだか細菌だかがいきなり箱の中に入っているというもの、説得力がない。またララが正義の為に闘ったり、最後に教訓めいたことを口にしたりするのも納得いかない。ララにはいつまでも史跡保護、動物愛護、民族感情一切無視の自分中心・傍若無人お嬢様でいてほしい。
しかし、別の見方もできるかもしれない。普通「生命のゆりかご」といえば、熱帯雨林や干潟など、生き物が豊富な自然のことを示すが、近年その「生命のゆりかご」である熱帯雨林を伐採し、文明未踏の地を開発したために、それまで人目につかなかったHIVやデボラウイルスなどが人間に害を加え出した、と言われている。熱帯雨林が「生命のゆりかご」で未知のウイルスが「パンドラの箱」の中身だ。そういった環境問題の比喩でこの映画は問題提起をしているのか、とも思える。そうするとララの最後の教訓じみたセリフも納得が行く(ララのキャラクター的には納得いかないが)。制作者からのごくストレートなメッセージになるわけだ。しかしキリマンジャロの奥地で、酸の水たまりという「生命のゆりかご」の殺風景な描写や、「パンドラの箱」のファンタジーっぽい描き方に、その考えの自信をなくす。
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by 44gyu | 2005-02-07 23:41 | ★★
公式サイト

ネタバレ

オフ・ブロードウェイで上演され、大ヒットした同名ロック・ミュージカルを、舞台と同じくジョン・キャメロン・ミッチェルが監督・脚本・主演を務め映画化。

舞台っぽいと思ったけどやっぱり舞台のリメイクだった。歌い方も曲もそんな感じ、古くさい。だから劇中でも主人公のバンドは売れてないのか。全ての曲が70年代ロック調で、現代劇と思えない。70年代ロックが嫌いという訳ではないが、今さらその路線でこられることの創造性のなさが不満。ドラッグクイーンにロックという題材も特に新しくなく、「永遠の片割れ」探しという至って直球の主題もむずがゆかった。

しかし、この映画には「削除されたシーン」というのがあるらしく、そこにはヘドウィグと彼女の2番目の夫イツハクとも出合いが描かれ、イツハクがなぜウイッグをかぶりたがっているのかが分かるそうだ(私はイツハクを演じているのが女優さんだったので、イツハクはオナベさんだと思っていたのだが、そうではないみたい)。そのシーンによりヘドウィグの性格の負の部分がより明らかになり、ヘドウィグが彼女と同郷の東欧出身者へ与える酷い仕打ち(ヘドウィグの洗濯物を洗濯させたり、怒鳴ったり)の理由を理解できるようになるという。(その辺の詳細は「ヘドウィグ 削除されたシーン」で検索しろ、となぜかどのページにも書いてあるので、ここでもリンクは貼らないことにする)

なるほど、この映画は予備知識として公開時の裏事情や東欧の歴史的、地域的事情を知れば、もっとずっと深みがあっておもしろいものになる。ヘドウィグは純粋に愛を求める美しく特別な主人公というよりも、むしろ人間のエゴや嫌な部分を生々しく見せてくれる存在になるだろう。
本編ではメインとなっている歌や愛の話は表面的なもので、端々に何気なく描かれたり削除されたりしている直接語られないストーリーこそが、この映画ならではのとても興味深いところなのだと思った。
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by 44gyu | 2005-02-06 00:20 | ★★★

タイムライン

公式サイト   ←重すぎ!!

「オペラ座の怪人」のファントム役ジェラルド・バトラーつづき。

この映画でジェラルド・バトラーは、遺跡発掘を主導している大学の助教授役を演じている。なかなかのヒーローぶりで、主人公カップルよりもロマンチックなラブストーリーがあり、かっこいい役なのだが、これまたあまり印象に残らなかった。

というのも、この映画のバカっぽさがどうしても気になったからだ。
まず過去へ行く為の転送装置が安っぽすぎて、全然説得力がないし、「ワームホール」という理屈もなあ。。「ここに死者に通る霊道がある」とかいう夏場のオカルト番組みたいに、いかにもインチキ臭いし。。すぐ死にそうなキャラはホントにすぐ死んだけど、あんまりにも早すぎであっけにとられたし。悪者役のイギリス兵の描き方がすっごくベタで分かりやすいのも気になる。もうなんか、バカ映画狙って作ったのかと思うくらい滅裂三昧で安っぽい。
それにだんだん「HELP ME」とか言って気安く助けを求めた教授が憎らしくなってくる。あんた1人のために若い命が何人失われたんだ、と。その辺のことについての教授の自責の念もまったくないし、他の登場人物は時に命も惜しまないようなことを言ったりしたりするんだけど、この教授だけは最後まで命根性汚い。
山場のアクションも、タイムスリップしてきた登場人物達がドタバタしてるだけのような印象。たいした派手さもなく、よくわからないまま、ドタバタと決着がついてしまった。

ラブストーリーで心の動きを描くわけでもなく、タイムスリップの凄さを描くわけでもなく、マッド・サイエンティストの暴走を描くわけでもなく、表面をなぞっただけの、薄っぺらい、バトラーのかっこよさがちょこっと心に残っただけの映画だった。
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by 44gyu | 2005-02-04 22:46 | ★★

ドラキュリア

公式サイト

「オペラ座の怪人」でハマってしまったジェラルド・バトラーが、すれ違う女を皆振り返らせるほどの色男ドラキュリアを演じている。が、この映画を観たのは「オペラ座」を観る前でバトラーはそんなに印象に残らなかったのだった。
「TAXY NY」で主人公の上司役を演じていたジェニファー・エスポジトもヴァンパイア役で出ている。切れるようなルックスがヴァンパイアにぴったりで美しい。

この映画は音楽にリンキン・パークやマリリン・マンソンが使われていて、ヘヴィ・ロック色が強く、黒ずくめのゴシック路線でけっこう真面目に作ってあるヴァンパイア映画だ。「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」等と近いものがあり、それ系好きな人にはたまらないだろうが、それ以外の人にはちょっとこっぱずかしいかもしれない。ヴァンパイアと彼に咬まれる女性との間にはセクシャルな関係が暗示されている、という解釈をかなり強調して、ヴァンパイアとヒロインの関係がすごくロマンチックに描かれてあるが、それがすごく少女趣味に感じる。

一番ショックだったのが、ヴァン・ヘルシングを白髪の老人、クリストファー・プラマーが演じていること。ヴァン・ヘルシング=ヒュー・ジャックマンのミステリアスでかっこいい、という印象が強かったので、なにやら頼りなさ気のおじいちゃんヘルシングは印象外だったのだ(しかしブラム・ストーカーの小説「吸血鬼ドラキュラ」ではヴァン・ヘルシング教授・60歳らしいからこっちが原作に忠実なんだろうけど)。ヒューと同じくなにやらかっこよさげな武器を多数携帯しているが、最後には殺されてしまうのもショック。
またヒロインがあんまりかわいくないし、冴えないので感情移入できない。更にヒロインを助ける主人公の男もアホ面で、この主人公を助け、バトラーの誘惑をはね除けるのは全然説得力がない。

オチも健全な無宗教の日本人には縁遠い、キリスト関係のサプライズ。そのテの宗教絡みの話が入ってくると、その宗教圏の内輪受けっぽい話になってしまい、思い入れや信仰心がない者には、一気に映画がとおーーーーくに行ってしまった。
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by 44gyu | 2005-02-02 22:43 | ★★