文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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オペラ座の怪人(2005)

公式サイト

超有名な作品だが、今回初めて観た。もちろん舞台も観たことがない。

約1億5000万円という総スワロフスキー製クリスタル使用のシャンデリアを始め、衣装、小道具、大道具等等全てがゴージャスでキラキラ。テレビCMでも流れるが、オペラ座内のゴールドでデコラティブな立体彫刻の装飾が特に素敵だった。実際に見ると悪趣味極まりない造型物になるんだろうが、映画ならではの非現実的な豪華さが楽しい。
冒頭の廃虚となったオペラ座から活気があった過去へ戻る映像は、導入としては最高。とても有名で高揚感のある曲が、アレンジを加えられ大音量で流れると、一気に気分が高まり、物語のはじまりにドキドキする。最初から最後までほとんど歌だけのミュージカル映画だったが、たいくつすることなくオペラ座の世界に浸ることが出来た。

驚いたのは、主演の3人の歌が吹き替えなしだったということ。クリスティーヌ役のエミー・ロッサムもラウル役のパトリック・ウィルソンも、それぞれ舞台でキャリアを積んできた人たちらしく、素人耳ながら確かな技術が感じられ、すばらしかった。ファントム役のジェラルド・バトラーの歌は、芸術の天才・音楽の天使というにはきつかったかもしれないが、良かったと思う。でも、個人的には吹き替えだったカルロッタのいかにもオペラっぽい歌が好きだった。

この映画を見てハマってしまったのが、ファントム/ジェラルド・バトラーという俳優。クリスティーヌがファントムの天才的な芸術的才能に強く惹かれてしまい、ラウルをやきもきさせてしまう、というのが本来の物語の筋書きなのだろうが、実際のバトラーの歌は天才的とは言い難く、クリスティーヌ役の演技からそう察っせられるのだった。しかし仮面に覆われてない部分はもとより、仮面に隠れた、ただれた部分が見えていても、バトラー・ファントム素敵すぎ。本意は違ってしまうが、クリスティーヌがファントムに惹かれてしまって悩む気持ちが分かるなあと思った。むしろお坊っちゃんラウルよりファントムの方が魅力的で素敵なので、金持ちのラウルを選んだクリスティーヌに「やっぱり若さとお金なんだ。。」とがっくりしてしまったりもする。

3人の恋の話も音楽も美術も、全てがセクシーでキラキラ。「オペラ座」初体験で、ミュージカル映画はどちらかというと苦手な方なのだが(「シカゴ」はダメだった)、これは楽しめた。

しかし、字幕は噂通りひどかった。誤訳や意訳は元の話を知らないので誤魔化されることもあるが、意味不明なセリフや変な文章の切り方には困ってしまった。字幕の監修ってないんだろうか。

今回は巨大スクリーンを前から2列目で観ることになったため、よく見えなかった所も多々あった。また空いてきた頃に観に行きたいと思う。
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by 44gyu | 2005-01-31 23:13 | ★★★

THE JUON/呪恐

公式サイト

主演のサラ・ミシェル・ゲラーは「バフィー/恋する十字架」の主役バフィー役で、常々かわいいなあと思っていた女優さん。「スクリーム2」にもすぐ死ぬけど出ていた。またプロデューサーには「スパイダーマン」の監督サム・ライミが。日本人キャストには「パッチギ!」でおばさんパーマが印象的だった真木ようこも出ている。
試写会で観た感想は、怖かった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。途中で帰りたくなったくらい。家で一人で観るもの怖いだろうけど、劇場の暗闇で観るのも怖い。足になにか触りそうで。

基本的に劇場版「呪恐」のリメイクのようだが、「呪恐2」の要素や、私はまだ未見だがビデオ版の要素も含まれているようだ。しかし、主人公の設定も大きく変わっているし、今までの「呪恐」を観ていても観ていなくても、どちらでも十分楽しめる。
監督は日本版と同じ日本人監督だが、オープニング・クレジットは「スパイダーマン」っぽくてかっこよく、冒頭からハリウッドらしさが感じられた。ストーリーも分かりやすく丁寧になっていて、劇場版「呪恐」ではなぜ呪うのかという原因がいまいち判らないままバタバタと人が死んでいったが、「THE JUON」ではその辺の説明もちゃんとしてあった。また効果音や音楽も大幅に増えており、驚く所や怖い場所が分かりやすくなっていた。
日本版のときからこの映画がもともと持っていた、ビックリ・ショック、(見ちゃいけないモノを)見ちゃった!(聴いちゃいけない音を)聴いちゃった!という怖さに、スプラッターとサイコの要素も加わって、恐怖のバラエティーが豊かになっていると思った。判り易い効果音のせいで、日本的「見ちゃった!!」怖さはだいぶ弱まってはいるものの、それでも実際見ちゃったショックはかなりのもの。更に造型やCGがきれいでかなりグロテスクで、怖さを補強していた。

しかしこの映画の制作者は日常にありそうな怖い場面を見つけるのがうまい。暗闇や背後はもちろんのこと、壁に当たる音とか、インターフォンの使い方とか。映画を見終わって家に帰ってからも、何かする度起こる度にこの映画のことを思い出してビクッとしてしまうのだ。

それでもやっぱりホラーにはつきものの、B級映画らしい失笑を誘うようなシーンはある。しかしその笑い分を補っても余りある怖さがこの映画にはあった。

かなり強力なお化け屋敷映画だと思う。「怖い、怖い」と言いながら楽しみたい。

※主演のサラ・ミシェル・ゲラーの日本滞在エピソードも合わせてどうぞ。
かなりおもしろい記事です。
ABC(アメリカン・バカコメディ)振興会の記事より
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by 44gyu | 2005-01-30 15:50 | ★★★★

プリティ・ダンク

プリティ・ダンク
(2002年アメリカ)
監督:ジェシー・ヴォーガン
出演:ミゲル・A・ヌネス・ジュニア、ヴィヴィカ・A・フォックス、ケヴィン・ポラック、トミー・デヴィ
ッドソン、キム・ウェイヤンズ、ディケンベ・ムトンボ

あらすじ
華麗なプレイでファンを熱狂させるNBAの天才プレーヤー、ジャマール。だが、一方でワンマンプレイと素行の悪さが問題となり、彼はついにコートを追われてしまう。名声を失い、浪費癖がたたって財産までなくしてしまった彼は、現役復帰のため、なりふりかまわぬ行動に出る。それはなんと、女装して女子リーグに参戦することだった! 胸に詰め込んだパッドと厚化粧で、女子選手ジュワナ・マンとして再びコートに立った彼は、無名の新人として大活躍。だが、やがて新たなチームでもジャマール=ジュワナのワンマンぶりが総スカンを食らい…。

原題は主人公の女装時の名前、「Juwanna Mann」。それが「プリティ・ダンク」というだっさい邦題に。「プリティ」とくるそのセンスが全然わからない。
そんなださい邦題と、ありがちな女装ドタバタコメディにもかかわらず、おもしろかった。
主演俳優の女装姿が自然で違和感がなかったせいもある。顔が骨張ってなくて、手足もあまり筋肉質でない。化粧も良く似合っていたし、声も意図的に低くしているようだが、普通にしゃべっても十分高かった。なんとスリップドレスを着てデートするシーンまであるのだが、綺麗に出来上がっていた。胸の谷間らしきものまであるが自然な感じ。活躍場所も逞しい体つきが自然な女子プロバスケチームと、ごまかしがきくところも良かったのだろう。
バスケの試合シーンも迫力があり、かなり楽しかった。バスケはあまり詳しくないのだが、それでもシュートが決まったり、パスがかっこよく決まったりすると、スカッとする。
アメリカのギャグって文化の壁で笑えないことが多いのだけど、これはかなりウケた。下品ネタは万国共通だからか。また主役の笑わせるキャラ作りもわざとらしくなくて良い。どうみても下品でホントにバカげたギャグばかりなのだが、ずっと笑いっぱなしだった。
何度観ても頭をからっぽにして、スカッとできる映画だ。
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by 44gyu | 2005-01-29 22:50 | ★★★

BODY/ボディ(1992)

あらすじなど

マドンナが1994年のラジー賞でワースト主演女優賞をとった映画。

先日初めて観たのだが、金のかかった古臭いポルノという感じ。
セリフ(翻訳だけど)やストーリーがとても古臭いので、1950年代くらいの設定なのかと思ったら、そうではなく現代劇のようだ。「彼女が殺したのよ」と涙で恋敵ヒロインの犯行を訴える被害者秘書(秘書が社長の愛人というのはお約束で)、動物の交尾云々を語るヒロイン、性交時にはトランペット(←たぶん)のムード音楽ときた。ベタベタすぎてギャグなのかと思うくらいだ。

制作者は、法廷でセックスを審議することによって言葉責めのエロを狙ったんではないかと思うが、単なる下世話法廷になっている。「静かにしないと退廷させますよ」しか言わない裁判官のアホさも、下世話に拍車をかけている。手錠だのセックスだのいう言葉にやたら敏感で、登場人物達はその度ににやけたり興奮したり、いちいち反応する。映画全体が、最初から最後まで、エロスの方向に持っていこうといじましいほど必死なのを感じる。その見え見えな必死さがこの映画の陳腐な臭いをより強めているに違い無い。

そんな調子で主人公がヒロインに誘惑されたりして物語は進むが、最後のオチがまた、しょーもない。今まで賢く立ち回ってきた設定のヒロインが、いきなりスキだらけになっている。このスキも悪女の計算のうちで、そのうちどんでん返しが!?と思いきやそのままあっけなく成敗されてしまうのだった。おまけにラストには、悪女との浮気がバレて愛想を尽かした主人公の妻が主人公に駆け寄ってくる。結局主人公だけが良い思いをしたという、ほんとにしょうもない結末だった。

1992年って、けっこうまだウブだったのかなあというのが観終わった後の感想だ。当時、この映画はかなりセンセーショナルだったが、今見る限り新しいところなどどこにもない。時代と共に消費されていく映画ってあるんだなあとしみじみ感じた映画だった。

※マドンナが穿いているあの色気のないおっきなパンツはなんなんだろうか?女子用ボクサーショーツっぽくもないし。

※※主人公のウィレム・デフォーは「スパイダーマン」のグリーン・ゴブリンの印象が強すぎて、人間に見えなかった。。グリーン・ゴブリンはかなり反則!
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by 44gyu | 2005-01-26 23:45 |

レッド・ドラゴン

あらすじなど

ハンニバル・レクター三部作、完結編の第一章。
レクター博士は完全にモンスター・キャラクター化。主人公に「おだてられるのがけっこう好き」的なことを言われちゃったり、一貫してもう人間扱いされてないところがおもしろかった。
三作の中では個人的に「ハンニバル」が一番グロさがきつかった。また自分の脳ミソ食べさせられるシーンが出てきたらどうしよう、とドキドキしていたのだが、今回はそこまでグロいシーンはなくてほっとした。他人の肉を食べるのも嫌だけど、自分の肉を食べるのはもっと嫌だ。

新聞記者役のフィリップ・シーモア・ホフマンは「ハピネス」で全然モテないデブ男を演じていたのが印象的だった人。今回もヤな奴役だったが、動きがスピーディーで「ハピネス」で強烈だったオタク感はなし。真性のヤバい人?と勘違いしちゃったくらい「ハピネス」で強烈だったので、普通の人だったのがちょっとびっくりした。
エミリー・ワトソンの盲目振りも真に迫っていてすごかった。この人、「奇跡の海」で初めて見て生理的に受け付けないと思って、なるべく見ないようにしてきた女優さんだったんだけど、以前見た「ゴスフォード・パーク」でも良かったし、今回もかなりすばらしかった。個人的に再評価、というかこの人天才!
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by 44gyu | 2005-01-24 22:28 | ★★★

夢の女

あらすじなど

さすが伝統芸能に携わっている監督だけあって、言葉使いや身のこなしに大変気を使ってあり美しかった。モノクロにしたのも正解。吉永小百合が演じる役は、18才くらいから26.・7才頃なのだが、当時の彼女は47才くらいか。少々目立つ彼女の年輪や、セットの粗が緩和され、良い具合に時代を感じさせる雰囲気になっている。歳の割に苦労を重ねてきた女の落ち着きや重みは、役と同年代の女子で表現できるはずもなく、歳を重ねた彼女のおちついた演技が適当で、安心して観られた。

しかしこの主人公は女郎に身をやつしたとはいえ、花魁に軽く登り詰めるほどの器量を持ち、懐の深い身請け人にも恵まれ、かなりラッキーな女だと思う。ラッキーにしても売春するのは並み大抵の苦痛ではないはずで、さあ、稼ぐわよ!と溜まった書類を片付けるかのごとくはりきる主人公には違和感をおぼえた。
本当に幸せになれるのは妹が片付いて両親を看取り、娘と二人きりになってから、という主人公のセリフには、独りで家族全員を背負わなければならない主人公の境遇の辛さを感じたが、そういう暗さはそのシーンだけとも言える。美しく悲しい映画だったがなぜか清々しさを感じるところに疑問が残る。
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by 44gyu | 2005-01-23 22:26 | ★★★
あらすじなど

「キル・ビル」の元ネタとして有名になった映画。

まずタイトルクレジットが異様にかっこいい。ラウド入りのパンクな音楽とグラフィックが、とてもカンフー映画のタイトルとは思えない。これから始まるやりたい放題の物語を予見させ、自ずとテンションが上がる(ような気がする)。

なんといっても見どころは武術大会改め天下一武道会。蟷螂(カマキリ)拳やら猿拳やら鷹爪拳やら分かりやすいモチーフはカンフー素人にも理解やすく、アクの強いマンガチックなキャラクターが次々と登場する。中でも、タイの人が見たら怒らないか心配になりそうなムエタイや、腕を伸ばしたは良いが振り回しているだけのような気がするヨガの人は、かなり印象的。また侍らしき日本人も出場するがなぜかトンファー使い。日本人がエロで卑怯な描かれ方をしているのはありがちで納得できるが、大会での彼の卑怯さに感心する片腕ドラゴンもどうかと思う。また審判が判定後に「勝」「負」と表裏に書かれた扇子を開く、マンガだったら「ビシィッ」という効果音が描かれてそうな動作もかっこいい。

ヒーローである片腕ドラゴンが、なかなか策士で卑怯なところもこの映画のおもしろいところだ。ムエタイ一人を集団で焼き殺す場面はいわずもがなだが、ボスのギロチン坊主を倒すところもなかなかのもの。相手の盲目というハンデを巧みに利用し、トラップで斧を二本も命中させた後でやっと素手のカンフー勝負に出る。
そんな卑怯者に二人の弟子を殺されたギロチン坊主の、片腕は皆殺しにするほどの怒りはちょっと納得できる気がする。
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by 44gyu | 2005-01-22 23:35 | ★★★★★
公式サイト

映画の舞台であるコネチカット州は、金持ちが多く裕福であるという特徴の州らしい。この「ステップフォード・ワイフ」は、1975年に大ヒットした映画のリメイクで、「ステップフォード・ワイフ」という言葉は「自分の意見を持たず夫に隷属した愚かな女」の代名詞にもなっているそうだ。(参考)

映画はスタイリッシュ・スリラーと銘打たれているが、コメディの要素が強くとても楽しかった。実際のものを揶揄している下世話でバカバカしいテレビ番組や、会話に挟まれる皮肉がおもしろかった。アメリカに住んでいる人ならもっと色々分かっておもしろいんだろうと思う。
長くて細い、うらやましすぎるプロポーションのニコール・キッドマンは、今までちょっと苦手な女優さんだったのだが、この映画で一気に好きな女優さんになった。ただ綺麗なだけでなく、賢くキュートなジョアンナ役がぴったりはまっていた。実はこの人見たさにこの映画を観たクリストファー・ウォーケンも、期待通りのキモかっこよさだった。


以下はネタバレかもしれません


ただ、途中までは最高におもしろかったのだが、オチが見え隠れしてくるあたりからつまらなくなってきた。婦人雑誌の見出しを批判し、男の願望を良い感じにバカにしている内容が痛快だったのだが、とたんに極端な女性讃美へ。「これからは女性の時代ですよ」とのたまうオッサンのノリ。オーバーな女性上位論は、かえって嫌味で真意を疑ってしまう結果になる。オチは大どんでん返しだったが、無理がありすぎるしダメの上塗りだったような。。予想を裏切るだけで深みの無いラストは、途中までとてもおもしろかっただけに残念だった。

しかし、ここ数日ブッシュ大統領の就任式で、ローラ夫人を新聞・テレビでよく見かけるが、彼女がロボットに見えてしょうがなくってちょっと楽しい。
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by 44gyu | 2005-01-21 22:24 | ★★★

ジュラシック・ボーイ

ジュラシック・ボーイ
(1994年アメリカ) ポール・フラハーティ監督 マーチン・ショート チャールズ・グローディン メアリー・スティンバージェン ダブニー・コールマン

あらすじ
恐竜大好き少年クリフォードは相当ないたずらっこ。両親と一緒のハワイへの機上、途中のサンフランシスコにある「恐竜ワールド」に行きたいと言い出し、ついには飛行機を緊急着陸させ、念願のサンフランシスコへ降り立つ。洗礼式以来に会うマーティンおじのもとに預けられることになったクリフォードは、「恐竜ワールド」に連れて行くと言ったものの、なかなか連れて行かないおじに強烈ないたずらを繰り返す。クリフォードのせいで恋人からはそっぽを向かれ、仕事も失ってしまったマーティンは、甥を「恐竜ワールド」へ連れて行き仕返しを行う。

ネットで見たこの映画の評価が、0点か10点、「最悪・死ね」か「最高・笑える」、という両極端だったため、気になったので観た。

たしかに中年のおっさん(主演のマーティン・ショートは1950年生まれ)が10才の少年を演じている図は悪趣味で気持ち悪い。本物の子供がクリフォードを演じていたら、おませな少年のかわいらしい映画になっていたんだろうが、この場合ではほんっとに憎ったらしいだけのクソガキになっている。でも実際の子供も、テレビや映画で演じられているようなかわいいばっかりじゃないし、こましゃくれは必ずしもほほえましくない。(と思うのも私が子供が苦手だからなのかもしれないけど)

子供に対してまったく容赦ないので、教訓話として実に説得力のある映像になっていると思った。クリフォードをみて、「あんな風になりたくない!」と思って行いを悔い改めるのは間違いないだろう。
この映画がそういう使い方はされないにしても。
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by 44gyu | 2005-01-20 23:53 | ★★★

秦・始皇帝(1962)

あらすじなど

勝新太郎が始皇帝を演じ、長谷川一夫、市川雷蔵、若尾文子、山本富士子などなど豪華出演陣もちょい役で出演。3時間近い大作でエキストラの数も相当なもの。しかし(正誤はともかく)歴史の教科書をなぞっただけのようなつくりで、かなりたいくつ。更に勝新太郎が、活舌が悪い上に声が割れていて、セリフがとても聞き取り辛い。

個人的にみどこだったのは、チェン・カイコー監督の「始皇帝暗殺」とかぶる部分と、若尾文子演じる孟姜女のストーリー。
「始皇帝暗殺」でチャン・フォンイーが演じた暗殺者・荊軻を市川雷蔵が演じている。雷蔵版荊軻はまじめな愛妻家でチャン・フォンイー版のようにやさぐれていない。「始皇帝暗殺」のドロドロ加減が印象的だったので、ちょっと物足りなかった。そして皇帝に恨みを抱き、荊軻を秦に送る燕国の太子・燕丹は若き日の宇津井健が演じているが、これがなかなかの怪演。まずメイクで顔がほとんど判らないし、耳から(?)血を流す死に様はあまりにも壮絶で無気味だった。
孟姜女は結婚式の当日に夫を役人によって連れ去られ、夫は万里の長城の人柱にされてしまう。悲しみで孟姜女が泣き崩れると、雷鳴が鳴り響き長城が崩れてしまった、という話。星占いによる夫との出逢いや夢による夫の死の予感など、それまでけっこう淡々と進んできた物語が、いきなり神がかって情熱的な話に変わってしまうところがおもしろかった。また気の強そうな若尾文子が中国女性っぽくて似合っている。
この孟姜女の話は、始皇帝にまつわる有名な伝説らしいので、そのまま入れちゃったんだろう。
また、不老不死の薬を求めて日本に渡り客死したという、日本にも伝説が多い徐福を中村雁治郎が演じている。徐福も有名だからただ出しました的な印象だ。仙人画そのままの雁治郎はほとんど突っ立っているだけだった。

この映画は興行的にも失敗だったようだが、そうだろうなあと思える出来。
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by 44gyu | 2005-01-19 23:18 | ★★