文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ:★★★( 48 )

バットマンビギンズ

公式サイト

渡辺謙出演で話題の新作バットマン。監督は「メメント」「インソムニア」のクリストファー・ノーラン。バットマン役は「マニシスト」での激痩せが記憶に新しい、クリスチャン・ベイル。彼はかつて子役としてスピルバーグ映画「太陽の帝国」で主役の少年役を演じた。この映画で少年クリスチャン・ベイルは虫を食べたり片言の日本語を話したりしており、迫真の演技がかなり印象的な子供だった。ヒロインは最近トム・クルーズと婚約したケイティ・ホームズ。「ド−ソンズ・クリーク」のレギュラーだったそうだが未見。トム・クルーズが入信している宗教団体サイエントロジーに彼女も入信するかも?というニュースも気になるところ。
あまり関係ないが一見清純お人好し顔ケイティの極悪フェイス(ABC振興会)。わりとお気に入りです。
他にリ−アム・ニ−ソン、ゲイリ−・オールドマン、ひっぱりだこ・モーガン・フリーマンなど。

ティム・バートンの「バットマン」「バットマン・リターンズ」は、独特の雰囲気と、憎みきれない悪役のすばらしい個性が印象的だった。ジョエル・シュ−マカーの「バットマン・フォーエバー」「バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲」は派手な映像と娯楽性の高さがおもしろかった。
そして今回の「バットマンビギンズ」では、人間・ブルース・ウェインにスポットがあてられている。バットマンは他の多くのヒーロー達と違い、特殊な才能を持っているわけではなく、金と科学の力で特殊な才能に変わるオリジナルの武器を作り、駆使している。ある意味スター・ウォーズで言えばジャンゴ&ボバ・フェットだな、と今日思った。
そんな最も私達に近い(莫大な資産は別として)主人公が、普通の人間として怒り、葛藤し、自分への挑戦を試みる姿を描いている。備わった才能をもって、なるべくしてなったヒーローの葛藤と違い、生身の人間がヒーローになることを選んだ、というのがスゴイところだなあと思った。
・・・でも正直、そういう葛藤とか修行の風景メインの映画は個人的に苦手。自分には縁遠い話だし、暴力に対する暴力の悩みなんて親近感持てない。今回はそういうシーンがほとんどだったので辛かった。
しかしラストの頃は、前作のようなファンタジックな戦闘シーンが楽しめた。なんだかんだ言っても摩天楼を飛ぶ人間はファンタジーだ。また今回のバットモービルは前述の、全体を占める鬱々したブルース・ウェインの葛藤話を吹っ飛ばすくらいダイナミックでカッコよかった。

そして問題の過日のJR福知山線脱線事故を彷佛とさせるシーンは、モロにそのもので、当事者でない私ですら観るのが辛くなるほどだった。しかも見せ場の一つである高架線電車内でのアクションシーンは、去年「スパイダーマン2」で派手なのを観たばっかりだったので、ちょっとがっかりだった。

期待の日本人・渡辺謙の役は、インタビューやプロモーションで持ち上げられるほど重要な役ではなく、アメリカ在住のアジア人がやっても成り立つような役だった。
本作を観たあとTVでリ−アム・ニ−ソンの渡辺謙に対する印象、とか渡辺謙のバットマンビギンズ語りを頻繁に観たが、ちょっと切なくなった。
[PR]
by 44gyu | 2005-06-20 23:35 | ★★★

蝶の舌

公式サイト

スペイン内戦間近のガリシア地方の小さな村。喘息持ちの8歳の少年モンチョは、同年代の子らに遅れて学校に入る。初めての学校に怖がっていたモンチョだったが、優しいグレゴリオ先生の話はいつもおもしろく、友達も出来て楽しい毎日。

ちょっとオッサンくさい表情がかわいらしいモンチョくんら、子供の視点で観た大人の世界。
教室から出て虫を捕まえたり、友達と近所の大人のあとをつけて逢い引きを盗み見たり、子供らしい無邪気さでもりもり人生勉強していくモンチョくん。モンチョくんのお兄さんが叶わぬ恋をしてサックスを狂い吹くシーンは、情熱的でとても素敵だった。

そんな朗らかな日々も終盤で一転する。スペイン内戦が始まり、グレゴリオ先生をはじめ、モンチョくんも馴染みの大人達が続々連行されていく。
それまでの和やかさが素晴らしかったぶん、ファシズムの残酷さが強調され、心に響いた。モンチョくんが目にした日常に存在するグロテスクな一面(性・死)も、戦争の前では連綿と続いてきた幸せで平凡な毎日の一部にすぎないのだ、と実感する。
けっこうありがちなストーリーではあるな、と思いつつも、モンチョくんの投石に涙が出てくるのだった。
[PR]
by 44gyu | 2005-06-19 23:18 | ★★★

タナカヒロシのすべて

公式サイト
エイキサイト内サイト(鳥肌実インタビュー動画あり)


モッズ系猛禽類、自称鳥の調教師、鳥肌実主演の映画。マイナーどころで有名な主演者でありながら、脇はユンソナ、市川実和子・加賀まりこ・伊武雅刀などとけっこう豪華なメジャー系。
無気力で人とのコミュニケーションを取りたがらないかつら工場勤務の男の物語。

ユル〜い笑いとまったりした進行で、おかしみや感動がジワジワ染みてくる映画だった。細かい振動がブルブル続いているように、グフグフ笑いながら観ていた。意外な方向からおもしろさをぶつけられるのが快感だった。
ある意味アイドル映画だと思う。鳥肌実の端正な(人によっては気持ち悪い)顔のアップをまじまじと見られた感動にそう思った。鳥肌実の演技は、ややもすればいつも彼がネタにしている某学会の系列劇団と同じようなテンション系に陥ってしまうが、今回は「無気力」という役の設定が宜しかったようで、ほとんど暴走することなくクールな鳥肌が見られて良かった、と心底思った。モッズ系スーツ姿、(パン工場ではないが)工場勤務姿、ジャージ姿と、いろいろな格好の鳥肌を見られたのも良かった、と思う私はかなりミーハーなのかもしれない。
脇を固める俳優達も、皆クセのある人達ばかりで良かった。特に伊武雅刀の間の取り方というのは、信じられぬほど絶妙で良い感じだった。

以下ネタバレ






そんな感じでおもしろいな〜と思いながら観ていたが、なんかずっとひっかかるものがあった。ジワジワ系の映画らしく、そのひっかかりもジワジワ分かってきたのだが、それはタナカヒロシに向かって同じ職場の老人が言った「最近の若いのは〜」という言葉にあるようだった。
「タナカヒロシ」の無気力さ、テンションの低さは典型的な現代の若者像でもある。彼は他人に無頓着であったがゆえ不幸になり、その性根をたたき直すため、数々の不幸が彼を襲ったようにも見える。希薄な人間関係を思い直し、自分の感情を表現しはじめたことから、彼の不幸が遠のき、無表情だった顔面に笑顔がこぼれ出す。ラストのこのシーンはこの映画一番の感動シーンでもある。つまり、「もっと人と交わろう」というのがこの映画のメッセージのようだ。
・・・たぶん、私を含めてこの映画を鳥肌実目当てで観に来た大部分の人達にとって、このような爽やかなメッセージはあまり共感できるものではないような気がする。「爽やか」イコール胡散臭い、偽善者と思うひねくれたた根性の持ち主こそが、鳥肌実に興味を持つ人達であるからだ(私だけかもしれないが)。私自身「ウザい」「気持ち悪い」と思った。
なんか美味しい餌でつられて説教されたような、そんな後味だった。
[PR]
by 44gyu | 2005-06-15 21:54 | ★★★

高校四年

あらすじなど

題名だけ見ると、1年留年した高校生の自虐的な物語かと思われたが、高校3年生になった仲良しグループが、「常に皆より一歩先じていよう」という実に前向きな目標を掲げて称した自らのグループ名が「高校四年組」、というわけだった。
1957年の日活映画。まだ10代の小林旭が出演している。ひょろひょろしているがなかなかカッコイイ。

四年組のメンバーは、一風変わっているが明るく元気で優秀な者達ばかり、という設定で、個性的なキャラクターが続々登場する。
クラスの連中を相手に金貸しをして金利で儲け、放課後はバーでバイトをして、とにかく金をためることに情熱を注いでいる吉村、超高校級の野球投手でプロから引く手あまたの菅野、柔道の達人の熊木、学生妻の有吉などだ。
これらの面々を見ていると、高校生の皆がとても大人っぽいのに驚かされる(役者の顔形とかではなく、言動がだ)。ストーリーから各キャラクターが非現実的なのを考慮しても、各自が自分の考えを持ち、当たり前のように自分で判断し行動している姿は感心する。
たぶん今よりも「学生」と「社会人」の垣根が高くなく、学生に対して今ほど過保護でなかったからなのかもしれない。昔の学生がホントにこうだったのかは判らないが、少なくともこういう責任感のある学生を目指していたということがスゴイと思った。
しかしそれは「情報化社会」と呼ばれ出す前で、今よりも社会がシンプルだったというのもあるだろう。今の時代にこの映画のような朗らかな青春をあまり望めると思えないし、全面的に賛成もしないが、皆で詩を読みあったり、歌を歌ったり、古語まじりで嘆いたり意気込んだり、そんな青春も楽しそうだなと思う。
ちょっとびっくりしたのが「高校生妻」の話。27歳の男から、どうしてもと求められ在学中に結婚した女の子。皆より早く大人になった風だが、無邪気さは残り、かわいらしい若い新婚カップルの様子が描かれる。今でも16、7で結婚する女の子はいるだろうが、この映画の場合は周りの友達は皆乙女だし、本人も無邪気で幼さが残る少女なので、なんだか不思議な感じがした。この時代はまだこういう子がいたのだろうか。時代を感じて興味深かった。

そんな華々しい面子で構成されたグループに、病弱でなんの取り柄もないながら名前を連ねている自分を情けなく思っているのが主人公の枝村。彼は最初は「義母が義妹に踊りを習わせる金はあっても、僕が手術を受けるような金は家にない」(←このセリフは何回か出てくるのだが、なんかイイ!)し、自分には何の取り柄もないのでこのまま死んだっていいや、と捨て鉢になっていたが、美人の看護婦に信頼を寄せるようになり、生きたいと思うようになる。そして実の父親に手術の費用を出してくれと頼むのだが、完全に義母の尻に敷かれてしまっている父は息子の命を救うための金すら持ち出せない。そこで四年組の出番となる……のだが、うーん、命と習い事を天秤にかけるというのがすごい。鬼のような継母って今でもTVでお馴染みだけど、この映画の継母は最後まで顔が出ることはなく、それがかえって鬼ぶりに凄みを与えている。
枝村を助けられない無力な大人と、友情のために行動を起こす若者を対比させているが、枝村を助けるための金集めの方法が大雑把。菅野のプロ野球チーム契約料1千万円と、吉村の貯金100万円から捻出されることになる。話が大きい。
そんなこんなで枝村は手術を受けられるが、最後に大どんでん返しが待っている。

今観ても個性的で魅力的なキャラクター達が面白かった。大味だが、彼らに見習うところは多くある。昔の高校生の大人っぽさに驚いた映画だった。
[PR]
by 44gyu | 2005-06-09 20:46 | ★★★

ゴルゴ13(1973)

あらすじなど

オール海外ロケ、ゴルゴ13のモデルでもあった高倉健がゴルゴを演じ、高倉健以外は全員外国人俳優、脚本には原作者のさいとうたかお自身も参加している力の入れよう。
実際原作のマンガを読んだことのない私でも知っている、「握手はしない」「背後に回られるのを嫌がる」「支払いはスイス銀行」などのゴルゴエピソードが親切に入れられているのがうれしい。どれも、実演されるとかなりおもしろい。しゃべらないゴルゴのかわりに、クライアントがそういったゴルゴの決まりごとをいちいち説明してくれる、その後ろで挙動不振な動きをしているゴルゴが、なんかの別の生き物みたいで素敵。
実際原作のマンガを読んだことのない私だが、ゴルゴはもうちょっとカッコよかったりクールだったりするもんかと思っていた。しかし誘われて拒むことなく女の蒲団に入る上目使いや、案外敵にあっけなく捕まってしまうのなんてクールとは程遠いのでびっくりした。
昔の映画なのでいろいろ気になる所は沢山あるものの、一番気になったのは健さんの手指の綺麗さ。指先なんて白くて長いし、ゴツゴツしてなくてほっそりしている。「硬派」顔とのアンバランスが気になった。
[PR]
by 44GYU | 2005-06-07 23:58 | ★★★

リング2

公式サイト

ハリウッド版の2作目。「ハリウッド完全オリジナル・ストーリー」
1作目の話から6ヶ月後。シアトルから霧深いオレゴン州に越してきた母子。しかしサマラはどこまでも2人を追ってくる。

1作目は感覚的すぎて何が何だか全然わからなかった。
今回はホラーの怖さはあまりなかったが、前作よりおもしろかった。「アザーズ」みたいな感じかも。
しかし(貞子じゃなくなったところですでにそうだったのかもしれないけど)サマラはもうホラークイーンというか、ただのしつこい人。出てきた時の恐怖はほとんどなくなってしまい、ちょっと出過ぎだったのかもと思う。

以下ネタバレぎみ







全体を通じて描かれていたのはサマラの恐怖というよりも、母子の強い愛。サマラによって2人の生活が脅かされるのを、親子愛ではね除けるという話。しかし、この母子の絆は紙の入る隙間も無いほどガッチリで、それが美しいと感じる人もいるかもしれないが、個人的には気持ち悪くてこっちの方がホラーだと思った。
まず2人は、目覚めている間はサマラの監視の目を逃れられない、ということで、なんと夢の中で連絡を取り合う。ここでは魂で繋がった母子の絆が描かれているのだろう。
また、シングルマザーの出てくる映画ではよくある、母親の新しいロマンスも、この映画の親子の間には入り込めない。母親が新しい同僚の男と関係を築くかに思われたが、サマラに乗り移られてはいるというものの、息子によって男は殺されてしまう。
そしてサマラから逃れるためではあるが、息子は自分を殺すことまで要求する。それは最愛の人を自ら手にかけさせることで、母親にとって究極のことを要求していることになる。
極め付けに、サマラを突き放すことに成功した母親を、断がい絶壁から飛び下りさせる。
こう見ると、この映画は息子による命を賭けた母親試験だったようにも見えてくる。息子は凄まじい独占欲で他人を排除し、自分への母の愛を試したのだ。レイチェルは試験に合格して生き延びたのだった。
ということでこの映画はもの凄いマザコン映画なのだと思った。最後に2人が抱き合うシーンは、互いの生還を喜びあうのと同時に、別の意味にもとれ、感動的なシーンでありながらちょっと気持ち悪く感じた。主人公の子供が少女ではなく少年であることは必然的で、この映画は男の映画なのだと思った。
女のマザコンもいるんだがな。
[PR]
by 44gyu | 2005-06-05 22:53 | ★★★

コーラス

公式サイト

問題児を集めた寄宿学校、その名も「池の底」に赴任してきた音楽教師が、音楽で子供達の心を解きほぐし、更正させていく。

「フランスで7人に1人が観た!」(このコピーもストレートですごい!!)のがホントなら、フランス人もこういうベタな感動モノが好きなんだなあ。音程をどうしても合わせられない子供を教師をはじめみんなで笑ったり、クラスの中で一番幼い子供はコーラスに参加できずずっとマスコットとして座らされていたり、ところどころに現実では許されないような話がまじっているものの、そういうのも含めて、懐かしい、恥ずかしいくらいストレートな感動話だと思った。

宣伝通り、子供達の歌声は美しかった。ソロの少年のすばらしさはもちろんのこと、周りの少年達のハーモニーもすばらしかった。特異な環境にある子供達と教師の関わりを、クサくはあるが人情的にしつこく描きすぎず、たっぷり美しい歌声を聴かせてもらえてよかった。

それにしても、ジャック・ペランの息子というペピノ役マクサンス・ペランはかわいかった。はじめ監督(ジャック・ペランの甥)の息子だと思い違いをしていたのだが、1941年生まれのジャック・ペランの息子とは!将来が楽しみだ。
[PR]
by 44gyu | 2005-06-04 20:07 | ★★★
公式サイト


12世紀。実は騎士の息子だった鍛冶屋の青年が、父の後を継ぎ、十字軍の騎士としてフランスから遠く離れたエルサレムへ戦いの旅に出る。

この映画を観ていると「アラビアのロレンス」「キング・アーサー」「タイムライン」などなど、色んな映画を思い出した。というのも、こういった映画の寄せ集め的な印象を強くうけたからだ。「あ、ここはあの映画のシーンっぽい」「こういうの、あの映画にあったなあ」とか、そんなことばっかり考えていた。そしてついに最初から最後まで、一切(と言い切っても良いだろう)新鮮味を感じることはなかった。

ストーリーはしがない鍛冶屋がある日突然騎士になり、勇敢で賢明な指揮官として部下を立派に率いる、という今はあまり見なくなったシンデレラ英雄物語。領主となった主人公は、民と共に土にまみれて井戸を掘ったり、働いたりする「良い殿様」。敵であるイスラム教徒に対しても広い心をもって接する。見てるこっちが恥ずかしくなるくらい主人公は完璧なヒーローだ。
とって付けたようなヒロインとの恋物語も、なるべき方向に予想どうりの進展をするし、カップルの2人にはまったく感情移入できない。

あまりにつまらないストーリーにウトウトしかけたところで、やっとお待ちかねの戦闘シーン。
これは確かにすばらしかった。このいかにも金のかかった豪華な戦闘シーンだけのために、今までのたいくつなストーリーがあったんだとしても、許せると思った。大地をホントに埋め尽くしている、25000〜30000人というエキストラの数は圧巻。敵味方双方、投石機で投げ合う火の玉は、カメラ使いも効果的で大迫力。遠目の大軍戦(?)も、刀で斬り合う近目の個人戦(?)も、臨場感があってテンポも良く楽しめた。私はあまり詳しくないが、初期の形の兜や甲冑などの美術も、よく作ってあってすばらしかった。

今の中東戦争を批判するようなメッセージも、ありきたりだったし今さらなあという感じ。これといって「この俳優がすごかった!」というのも無いし、ストーリーも真面目に追えば追うほど腹がたつB級品。逆にその内容のない空っぽさが戦闘シーンの感動をより引き立てたのかもしれない。

途中、字幕を追っていたら意味不明の文章がチラホラ。もしやと思ったらやはり字幕担当はトダさん。途中ストーリーがやや判らなくなったのは、やっぱり私の歴史知識のなさだけではなかったようだ。まあ、(個人的に)ストーリーが重要な映画で無かったのは幸いだった。
[PR]
by 44gyu | 2005-05-05 23:58 | ★★★
公式サイト

原作本は未読。

予告を観て、ティム・バートンの世界観っぽい映画なのかなと思って楽しみにしていた。
実際観て、3人のボードレール3姉弟妹はみんなかわいらしく(特に女の子たち!)、ジム・キャリーの悪役ぶりもなかなか楽しかった。そしてなにしろ美術がすばらしかった。チラシで比較されている映画「ハリーポッター」に比べ、確かに格段に繊細で上品で迫力のある映像だった。
実際美術には大変気を使ってあるようで、公式サイトのプロダクション・ノートの文 章からもその意気込みを感じることができる。
世間で定評がある、私も大好きなティム・バートン映画の美術だが、この映画の主な美術担当者はそのティム・バートン映画の美術に関わっている人ばかりだったことが、後で調べて分かった。すばらしくて当然だったのだ。
撮影監督のエマニュエル・ルベツキは「スリーピーホロウ」をかつて手掛けている。プロダクションデザイナーのリック・ハインリクスは「シザーハンズ」「猿の惑星」などにも関わっている。衣装デザイナーのコリーン・アトウッドもまた「シザーハンズ」「ビッグ・フィッシュ」などの衣装を担当している。
隅々まで素晴らしかった美術だが、中でも一番素敵だと思ったのはエンドロール。こんな素敵なエンドロールは今まで観た事が無い。影絵調の絵本がそのまま動いているような作りで、ゴシックでおしゃれで素晴らしい映像だった。そこだけ切り取って欲しい!と思ったくらい。
また、この映画には爬虫類(主にヘビ)が沢山出てくる。おどろおどろしい雰囲気を出したかったのもあるんだろうが、映画内でヘビちゃんをたくさん見れることはそうないので、動物好きには楽しかった。

しかし内容の方はというと・・・むむむ、微妙だ。幼いが賢い3姉弟妹が、欲張りで悪人のオラフ伯爵からの嫌がらせを、知恵と勇気で切り抜ける、という話なのだが、3姉弟妹の賢さがいまいち伝わってこない。オラフ伯爵がしかけるからくりも子供だましな気がするし、それを切り抜ける3姉弟妹の手段も「ファンタジー」の割りにえらくチャチでしょぼいように思った。映画の進み具合もテンポが悪く、抑揚を感じられず、中ほどで早くもダレてきてしまった。だいたい作者(物語の筆者)語りのファンタジーって、それだけでもううんざりしてしまう。

美術と子供の可愛さ以外は個人的にちょっとツラい、と思った。ジム・キャリーのおなじみの顔芸は、苦手な者にはうっとうしく感じる。続編を感じさせるような終わり方だったが、あんまり観たいとは思わないかも。。でも美術は気になるな。

amazonで原作「最悪のはじまり 世にも不幸なできごと」のレビューを見たが、あんまり評判良くないような。原作はもっと面白いだろう、と思っていたが、案外映画は忠実に原作をなぞっているのかもしれない。憶測だけど。
[PR]
by 44gyu | 2005-05-03 00:17 | ★★★

戦場のピアニスト

あらすじなど

ネタバレ



爆撃シーン、ナチスによるユダヤ人虐殺シーンは頭が痛くなるくらい残酷で迫力があった。

ただ、この主人公に同情はしづらい。「自分の家で死にたい」からはじまり、途中仲間に「逃げろ」と言われても「ここを動くのは嫌だ」と隠れ家からでようとぜず、食べ物を探す以外とにかく自分から動こうとしないからだ。主人公を助けた仲間は次々逮捕されたり、決起して闘ったりしているのに、彼はその様子をものかげからのぞいているだけ。たぶん自分も同じ立場だったら、主人公と同じ行動しか出来ないだろう、という弱い人間としての共感はあるものの、あまりに他人頼りで自分勝手な姿はイライラする。それに、唯一の特技であるピアノに対する主人公の才能や情熱も、あまり見えてこない。目をつぶり、鍵盤を想いながら指を動かしているのは、現実逃避にしか見えない。最後に自分を助けてくれたドイツ人将校を助けることも出来ない。
どうせなら徹底的に主人公をダメ人間に描いてくれればまだ良かったのに。実在の人物となればそれも難しいのかもしれないが。
戦争の悲惨さのみごとな描写への感動と、主人公への苛立ちというちぐはぐな印象が残ってしまった。
[PR]
by 44gyu | 2005-04-07 22:27 | ★★★