文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

あしがらさん

公式サイト

撮影開始時(たしか)67歳の路上生活者「あしがらさん」を3年に渡って追った自主制作ドキュメンタリー。

ひとりの老人とひとりの若者の物語としても十分見ごたえがあった。ドキュメントといっても、あしがらさんが入院したり、福祉施設からいなくなったりとハプニングが次から次へと起こり、けっこうハラハラどきどきのドラマが繰り広げられる。3年間に渡って撮影されただけあって、色んな出来事が凝縮されており、内容が濃い。

私がこの映画を観たのは市民団体が主催の上映会で、公式HPの予告編も、編集の仕方に何か思惑がありそうな感じだし、実際観るまではちょっとちゅうちょしてしまいそうなところが正直あった。
しかし実際観てみると、笑いあり涙ありで普通におもしろかった。なによりあしがらさんをはじめ、出演者達の個性が良く映し出されていて、考えさせる部分も多くあるが、全体的にほのぼのしているところが良かった。あしがらさんのぼくとつな一言一言が、いちいちおもしろくって笑わせられ、たまにホロっとさせられたりする。また周りの人々がみんな優しくて親切なのも、まだまだいい人はいっぱいいるのだと思えてうれしかった。
また優しいヒューマンドラマとしてだけだなく、あしがらさんを追うことで映される、路上生活者の病気や生活の実体、行政や民間によるホームレス支援の様子など、現実的な部分の映像も興味深かった。

説明臭かったりおしつけがましかったりせず、監督の「好奇心から撮りはじめた」という言葉通り、ひとりの老人とカメラを回す20代の青年とのやりとりがただただ追われている。一方向に導くような作りではないので、観る人によって様々な違う感想が引き出せるのではないかと思う。

私は、たしかに彼等の見方が今までとは変わり、怖くてやっかいな存在だけではないことが分かったが、実際に彼等と向き合う時の難しさや困難も考えさせられた。優しい気持ちにはなれたが、優しさや同情だけでは共存できないともつくづく思った。
自分のためにも彼等のためにも、これからより良くなるように考えていかなければならないだろう。この映画でそういうきっかけが持てて良かったと思う。
[PR]
by 44gyu | 2005-02-19 23:49 | ★★★★