文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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スキャンダル

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18世紀末、李朝末期の朝鮮。放蕩者の主人公と女達の物語。

韓流好きからは不評のようだが、韓流が苦手な私には大変満足な映画だった。
ミーハー気分で観たのだが、韓国映画で苦手な大泣き(カンヌ受賞の「オールド・ボーイ」も例外でなかった)、ドタバタ、ワンレングスのヒロインが一切なし。ストーリーも画面も洗練されていて美しく、感情を押さえた演技がさらっとしていて気持ちよかった。

なんといっても一番の見どころは画面の美しさだろう。
衣装は韓国の有名ファッションデザイナーによるものらしいが、落ち着いて上品な色会わせのチマ・チョゴリや小物が美しくかわいらしい。また女性達の髪型も必見だ。18世紀というのはフランスの高く盛り上げ、過剰に装飾した奇抜なヘアスタイルをはじめ、日本の花魁のものもだんだん大きくなってくる頃だ。この映画の女性達の髪型も、異様に大きく豪華で美しい。大きく結って飾っていないヒロインの髪型も、カンザシのワンポイントが洗練されていて素敵だ。
また成熟した韓国王朝文化の様式美の表現も興味深い。化粧をする時の化粧道具や手順、手紙を書く時の硯を摺る所作、食事の風景などだ。ふすまや掛け軸、刺繍の図柄の美しさも目を引く。ゆったりとして時に退廃的にも見えるのがとても優雅だ。
冒頭で主人公が描いている春画は、公式サイトでよく見たらけっこう稚拙だったが、素朴な色合いと柔らかいタッチが綺麗だ。
何気ない背景である自然にも気を抜いていない。窓から見える緑は目が覚めるような緑で、無彩色と茶色の建物と良いコントラストになっている。池や森の中のシーンでも、衣装の鮮やかさを引き立てるように緑一色か、くすんだ色におさえてあって、とても気を使ってあるのを感じる。

一番良かったシーンは、色々あるがやっぱりヒロインの最後のシーンだ。そこだけ観ても泣けてくる。大泣きされるよりもずーーーっとヒロインの痛みが理解できるし、雪原の白さとシーンの潔さが相まって目にも心にも突き刺さるものがあった。

しかし、登場人物達の細かな心理描写がちゃんと描けていればもっと良かったなと思った。主人公がヒロインに次第に引かれていく様子や、主人公の従姉妹が嫉妬している様子がいまいち分かりづらかった。そこは結構物語として重要なとこだったかもしれない。

そんなわけで、この映画はただぼーーーっと観ていても十分楽しめるし、ストーリーを追ってもくどくない悲恋に感動できる。
話題だったヨン様も、完璧な美男子ではなく、顔が良いだけで人でなしの最低男を演じているところもおもしろかった。去年からイメージチェンジを図っているらしいが、特にヨン様ファンでない私も腿毛が見えたのはちょっとショックだったくらいだ。正直ヨン様は松尾スズキに見えたし、これからも色んな役に挑戦してもらいたい。
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by 44gyu | 2005-02-08 22:03 | ★★★★