文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ

公式サイト

ネタバレ

オフ・ブロードウェイで上演され、大ヒットした同名ロック・ミュージカルを、舞台と同じくジョン・キャメロン・ミッチェルが監督・脚本・主演を務め映画化。

舞台っぽいと思ったけどやっぱり舞台のリメイクだった。歌い方も曲もそんな感じ、古くさい。だから劇中でも主人公のバンドは売れてないのか。全ての曲が70年代ロック調で、現代劇と思えない。70年代ロックが嫌いという訳ではないが、今さらその路線でこられることの創造性のなさが不満。ドラッグクイーンにロックという題材も特に新しくなく、「永遠の片割れ」探しという至って直球の主題もむずがゆかった。

しかし、この映画には「削除されたシーン」というのがあるらしく、そこにはヘドウィグと彼女の2番目の夫イツハクとも出合いが描かれ、イツハクがなぜウイッグをかぶりたがっているのかが分かるそうだ(私はイツハクを演じているのが女優さんだったので、イツハクはオナベさんだと思っていたのだが、そうではないみたい)。そのシーンによりヘドウィグの性格の負の部分がより明らかになり、ヘドウィグが彼女と同郷の東欧出身者へ与える酷い仕打ち(ヘドウィグの洗濯物を洗濯させたり、怒鳴ったり)の理由を理解できるようになるという。(その辺の詳細は「ヘドウィグ 削除されたシーン」で検索しろ、となぜかどのページにも書いてあるので、ここでもリンクは貼らないことにする)

なるほど、この映画は予備知識として公開時の裏事情や東欧の歴史的、地域的事情を知れば、もっとずっと深みがあっておもしろいものになる。ヘドウィグは純粋に愛を求める美しく特別な主人公というよりも、むしろ人間のエゴや嫌な部分を生々しく見せてくれる存在になるだろう。
本編ではメインとなっている歌や愛の話は表面的なもので、端々に何気なく描かれたり削除されたりしている直接語られないストーリーこそが、この映画ならではのとても興味深いところなのだと思った。
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by 44gyu | 2005-02-06 00:20 | ★★★