文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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ヴィタール

映画・ドラマ
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人体解剖がモチーフ為、グロ映画を期待されるかもしれないが(私だけか)、観終わった後に頭に浮かんだ言葉は「純愛」だった。都会と自然の対照的な映像と共に描かれる、主人公の亡くなった恋人への想いの美しさがとても印象的だったからだ。

解剖作業の研究もかなりなされたようだから、私のような一般人には縁遠い人体解剖の描写も大変興味深かった。また、物語の進み方もサスペンスの様に徐々に事実が明かされていき、謎解きのようで面白かった。

監督は「このたびの映画では、意識というもののどうしようもない不確かさを描いてみたいと思いました」とコメントしている。事故で記憶喪失になった主人公は、夢の世界と現実の世界のどちらが真実なのか判らなくなる。それは映画「マトリックス」で、仲間も誰もいなくて、真実を教えてくれる人がいない状態のようなものだ。私達の精神も、実はそのような不安定な位置に孤独に自立しているのだが、そういうことを考えすぎると生きていけなくなる(この映画でも主人公が死にそうになる)ので、なんとなく納得して生きている。

そしてそういうどうしようもない不安を突き詰めたストーリーのラストは、絶望的なものになりそうなものだが、ここでは意外にも希望に満ちた優しい結末だった。絶望的にしなかったのは監督の人間的な強さによるものかもしれない。

書いた本人が読んでも分りにくい文章になってしまったが、いろいろ深く考えさせてくれる映画だった。大きなスクリーンで観た方が絶対良い映画。
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by 44gyu | 2004-12-03 20:37 | ★★★★