文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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タナカヒロシのすべて

公式サイト
エイキサイト内サイト(鳥肌実インタビュー動画あり)


モッズ系猛禽類、自称鳥の調教師、鳥肌実主演の映画。マイナーどころで有名な主演者でありながら、脇はユンソナ、市川実和子・加賀まりこ・伊武雅刀などとけっこう豪華なメジャー系。
無気力で人とのコミュニケーションを取りたがらないかつら工場勤務の男の物語。

ユル〜い笑いとまったりした進行で、おかしみや感動がジワジワ染みてくる映画だった。細かい振動がブルブル続いているように、グフグフ笑いながら観ていた。意外な方向からおもしろさをぶつけられるのが快感だった。
ある意味アイドル映画だと思う。鳥肌実の端正な(人によっては気持ち悪い)顔のアップをまじまじと見られた感動にそう思った。鳥肌実の演技は、ややもすればいつも彼がネタにしている某学会の系列劇団と同じようなテンション系に陥ってしまうが、今回は「無気力」という役の設定が宜しかったようで、ほとんど暴走することなくクールな鳥肌が見られて良かった、と心底思った。モッズ系スーツ姿、(パン工場ではないが)工場勤務姿、ジャージ姿と、いろいろな格好の鳥肌を見られたのも良かった、と思う私はかなりミーハーなのかもしれない。
脇を固める俳優達も、皆クセのある人達ばかりで良かった。特に伊武雅刀の間の取り方というのは、信じられぬほど絶妙で良い感じだった。

以下ネタバレ






そんな感じでおもしろいな〜と思いながら観ていたが、なんかずっとひっかかるものがあった。ジワジワ系の映画らしく、そのひっかかりもジワジワ分かってきたのだが、それはタナカヒロシに向かって同じ職場の老人が言った「最近の若いのは〜」という言葉にあるようだった。
「タナカヒロシ」の無気力さ、テンションの低さは典型的な現代の若者像でもある。彼は他人に無頓着であったがゆえ不幸になり、その性根をたたき直すため、数々の不幸が彼を襲ったようにも見える。希薄な人間関係を思い直し、自分の感情を表現しはじめたことから、彼の不幸が遠のき、無表情だった顔面に笑顔がこぼれ出す。ラストのこのシーンはこの映画一番の感動シーンでもある。つまり、「もっと人と交わろう」というのがこの映画のメッセージのようだ。
・・・たぶん、私を含めてこの映画を鳥肌実目当てで観に来た大部分の人達にとって、このような爽やかなメッセージはあまり共感できるものではないような気がする。「爽やか」イコール胡散臭い、偽善者と思うひねくれたた根性の持ち主こそが、鳥肌実に興味を持つ人達であるからだ(私だけかもしれないが)。私自身「ウザい」「気持ち悪い」と思った。
なんか美味しい餌でつられて説教されたような、そんな後味だった。
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by 44gyu | 2005-06-15 21:54 | ★★★