世界大戦争
2005年 04月 13日
あらすじなど
1961年 東宝 特撮監督に円谷英二 主演がフランキー堺 乙羽信子や宝田明、笠智衆が出演。
普通につつましく暮す運転手一家。戦後の焼け野原に築いた幸せな家庭と、これから花開く未来だったが、ある日ぼっ発した第三次世界大戦によりあっけなく打ち砕かれてしまう。
すごい!こんなすごい日本映画が存在していたとは。日本の特撮といえば、ゴジラなどの怪獣ものしか思い当たらなかったが、これは世界に出しても見劣らないような、大掛かりでストーリーも特殊効果も大変よく出来た名作だ。
描かれる主人公家族や、貧しい母子家庭の話がまた泣かせる。ごくごく小さな幸せを大事にして暮している優しい人々が、問答無用で一瞬に消滅してしまう残酷さ。戦争の恐ろしさ愚かさがストレートに伝わる。この映画が作られたのが戦後16年と、まだ先の戦争の記憶が生々しかったのだろう、制作者の平和への願いと核の不安が切実だ。1960年代初頭から始まったベトナム戦争、1962年キューバ危機と、東西冷戦の緊張が高まっていた当時の第三次世界大戦の危機感の大きさが想像出来る。
リアルタイムでこの映画を観た人達はそりゃあ、怖かっただろうなあ。たぶん私も子供の時に観てたらトラウマになって何日間か一人で眠れなかっただろうな。
特撮も、最初の潜水艦が魚雷だかなんだか判らないような出来だったり、全体的に現代のものに比べるとチャチさを感じさせるものの、当時の水準を考えると、世界の水準で見てもとんでもなく頑張っているのでは。倒壊していく家や木々がとてもリアル。正に火の海となった東京の様子は大迫力。ストーリーがSFやファンタジーではなく、実際に起こりうる現実の恐怖を描いているため、造型も無理がなく今見ても新鮮。実写と特撮のバランスが自然に見える。
爆発しっぱなしでなく、笠智衆による静かであるが強い平和のメッセージで終わっているところも、この映画の良いところだ。誰かに対する憤りや怒りでなく、冷静に平和を維持しようというこの映画の意図が、最後に染み渡る。
1961年 東宝 特撮監督に円谷英二 主演がフランキー堺 乙羽信子や宝田明、笠智衆が出演。
普通につつましく暮す運転手一家。戦後の焼け野原に築いた幸せな家庭と、これから花開く未来だったが、ある日ぼっ発した第三次世界大戦によりあっけなく打ち砕かれてしまう。
すごい!こんなすごい日本映画が存在していたとは。日本の特撮といえば、ゴジラなどの怪獣ものしか思い当たらなかったが、これは世界に出しても見劣らないような、大掛かりでストーリーも特殊効果も大変よく出来た名作だ。
描かれる主人公家族や、貧しい母子家庭の話がまた泣かせる。ごくごく小さな幸せを大事にして暮している優しい人々が、問答無用で一瞬に消滅してしまう残酷さ。戦争の恐ろしさ愚かさがストレートに伝わる。この映画が作られたのが戦後16年と、まだ先の戦争の記憶が生々しかったのだろう、制作者の平和への願いと核の不安が切実だ。1960年代初頭から始まったベトナム戦争、1962年キューバ危機と、東西冷戦の緊張が高まっていた当時の第三次世界大戦の危機感の大きさが想像出来る。
リアルタイムでこの映画を観た人達はそりゃあ、怖かっただろうなあ。たぶん私も子供の時に観てたらトラウマになって何日間か一人で眠れなかっただろうな。
特撮も、最初の潜水艦が魚雷だかなんだか判らないような出来だったり、全体的に現代のものに比べるとチャチさを感じさせるものの、当時の水準を考えると、世界の水準で見てもとんでもなく頑張っているのでは。倒壊していく家や木々がとてもリアル。正に火の海となった東京の様子は大迫力。ストーリーがSFやファンタジーではなく、実際に起こりうる現実の恐怖を描いているため、造型も無理がなく今見ても新鮮。実写と特撮のバランスが自然に見える。
爆発しっぱなしでなく、笠智衆による静かであるが強い平和のメッセージで終わっているところも、この映画の良いところだ。誰かに対する憤りや怒りでなく、冷静に平和を維持しようというこの映画の意図が、最後に染み渡る。
by 44gyu
| 2005-04-13 23:40
| ★★★★