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文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
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カンフーハッスル

公式サイト

あのチラシや公式HPの写真からはとても想像出来ないくらい面白かった。チラシや予告で映画のおもしろさが全て出尽くしちゃったら元も子もないけど、この映画の場合かなり損してると思う。私はつまんなそうな映画だと思ってた。

この映画はメインはもちろん傍役まで、キャラクターの個性が強すぎて一時も目が離せない。画面に必ず変な人がいるのだから。出てくる人出てくる人皆濃いいし、アクションは「ありえない!」だし、笑いどころも沢山あるが、この映画はただのギャグ映画ではない。熱くて濃くてかっこいい。

ストーリーは、ドラゴンボールなどのジャンプ系ヒーロー物のような反則技使いまくりの展開。普通の(?)冴えないオッサン、オバサン達が「実は〜だったんです」と次々真実の姿を現しカッコよくなっていき、いつの間にか闘いのスケールが途方もなくデカくなっている。しかも題名にカンフーと付いているのにメインのアクションにカンフーらしいカンフーがほとんどない。波動拳とかカメハメ波でみんな闘っているのだ。野球を知らない人が描く野球マンガのようなものなのかもしれない。そして話がマンガっぽいなら絵づらもマンガっぽく、前作以上に無茶なことになっている。しかし他の映画で観たらきっとムカつくようなオーバーすぎるアクションもいつの間にかクセになってしまった。

マンガ調なので、善い者・悪い者の描かれ方も分かりやすい。正義を守る者達がかっこいいのはもちろんだが、悪役もしっかりかっこいい。主人公が敵対するギャング団のボス、サム組長はなぜかいきなりダンスを踊り出すのだが、そのダンス(ミュージカル調の群舞)は、カッコイイとサムイのギリギリの際でかっこいい。サム組長役の俳優は、前作の「少林サッカー」でブルース・リーかぶれの変なゴールキーパーだったのだが、今回は冷酷でキザで残忍なギャングのボスへと大変身。しかもかなりキマっている。伝説の殺し屋・邪神は、塚本晋也が悪役やった時よりもっと陰険で危険な感じで、だらけたたたずまいと笑みがかっこよすぎる。彼の必殺技には笑わせられるが、自肌にジャケットの姿はなぜか素敵。

また今回は音楽も素晴らしかった。サム組長のテーマはワイルドでかっこいい。京劇っぽい音楽で繰り広げられるCGを多用したアクションシーンは、ゴージャスで目と耳で楽しめ、それだけでもかなり見物だった。琴を武器にした殺し屋が出てくるのだが、琴の流れるような音とマッチしたアクションも良かった。。

話は続いてないので前作を観てなくても十分笑えるし面白いとおもうが、観てると知った顔がたくさんでてくるし、前作にからめたセリフも出てくるのでより楽しめると思う。前作で異彩を放ってたキャラに再び会えるもうれしかった。

年令制限がないのと前作の「少林サッカー」の印象から精神的に無防備な状態で観ていたのだが、人や動物が傷付くシーンは思いのほかグロくてショックを受けてしまった。けっこう残酷かも。
by 44gyu | 2004-12-22 23:20 | ★★★★★