文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

アビエイタ−

公式サイト

正直、宣伝具合から全然と言って良いほど期待してなくて、話題性だけでなんとなく観にいったのだが、
これがすごく面白かった。
2時間49分という3時間近い長さなのに、映画の中に没頭して時間の長さを全く感じさせられなかった。

しかし試写会場から出る時、「お金払って観なくて良かった〜」という声を何度か聞いたから、好き嫌いがあるんだと思う。それもそのはずかも。
チラシのコピーでは「究極の飛行機と、世界一の映画、ハリウッド黄金期を駆け抜けた伝説の男のトゥルー・ストーリー」とあり、テレビCMでも「伝説の男」を全面に打ち出しているが、この映画は実は
一人の男がだんだん狂っていく様子を描いた映画
だ。
ハワード・ヒューズは強迫神経症だったそうで、この映画では最初から最後まで、彼のバイ菌や他人との接触への病的な恐れが執拗に描かれる。(ハワード・ヒューズと強迫神経症の詳細は以下[心の病-All About]
強迫神経症への理解や興味がなければ辛い内容なのかもしれない。ハリウッドのきらびやかな成功物語や彼の華麗な恋愛遍歴は、二の次の描かれ方なので、これらに期待して観に行くと、物足りなく感じるだろう。
大掛かりなセットと豪華な出演者に一見派手な物語の印象を受けるが、心の病を患ったハワード・ヒューズの痛みや精神的な戦いを描いた地味な映画だと思った。

主演のレオナルド・ディカプリオの熱演はなかなか好感が持てた。強迫神経症の進行具合だけでなく、病気がもたらす他人との距離の測り方など細かい部分も演じられ、ハワード・ヒューズの痛ましさを生々しく感じることが出来た。
またなんと言ってもアカデミー助演女優賞を受賞したケイト・ブランシェットがすばらしかった。凄すぎて鳥肌が立つくらい。「ギフト」を観た後「ロード・オブ・ザ・リング」や「エリザベス」を観た時も、あまりのキャラクターの違いに驚いたが、今回彼女が演じるキャサリン・ペプバーンは、また今までとは全然違うキャラクターなのだ。喋り方、笑い方、しぐさなどが凄く特徴的でまずびっくりする。そしてハワード・ヒューズと呼応する性格の描写も完璧で、彼女の女優としての素晴らしさをまた思い知った。
そんな名人芸とどうしても比べられ、格の違いが目立ってしまったケイト・ベッキンセール。物足りなさに腹が立つばかりだった。アクション女優として確立しちゃえば良いのに、と思った。
そして個人的に期待していたグウェン・ステファニー。やっぱりいつもの後ろの人達は引き立て役として効果を上げていたんだな、と思った。おもしろかったけど。

この映画はダウナー系だと思う。私はいつの間にかこの映画にどっぷり浸かり込んで観ていたので、席を立つ頃には気分は落ち込み鬱々とした状態になっていた。こんな気分になるハリウッド映画はそう無いだろう。
またハワード・ヒューズが心血を注いだ飛行機と華麗な映画の世界がとても悩ましく見え、ハリウッドらしい派手な世界と地味な心の描写がうまくまとまっていたと思う。
今回この映画はアカデミー賞の主要部門を取りそこねてしまったが、この暗さが嫌われてしまったのではないか。よくある達成感とかやさしさとか前向きなところが全く無いもんなあ。でもそこが良いところだと思うので、個人的には主要部門がとれなくてすごく残念。「Ray/レイ」も「ミリオンダラー・ベイビー」も観てないが、一般的にこの映画よりもすばらしいとされたのだから、さぞすばらしいんだろうなあ。でもヒラリー・スワンクかよ。。。。。
[PR]
by 44gyu | 2005-03-23 22:04 | ★★★★