人気ブログランキング | 話題のタグを見る

文才のない人間の書いたほぼ映画の感想のみの日記


by 44gyu
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

宇宙戦争(2005)

公式サイト

今の時代このネタで(恥ずかしげもなく)愛と平和を叫ぶ直球映画を作れるのは、スピルバーグくらいなんだろうなあ、というのが一番の印象だった。最初と最後にナレーションを入れ、クラシックな雰囲気を出したのは、やはり残る制作者の羞恥心をごまかしているようにも見えた。

しかし最近のSF映画はオタクが認知されて久しくなったせいか、マニアックすぎて敷き居が高くなってしまった向きもあった、と個人的には思う。この映画を楽しむには、この映画とこの映画を観とけ、みたいな予習が必要な映画もあって、ちょっとうっとうしかったりする。
そういうふうに見ると、この映画は予備知識なしで観ても迫力満点で、ついでにトム・クルーズのやばい人振りも鬼気迫るものがあり、十分楽しめる。スピルバーグという超大物監督の映画らしく、これぞ大規模上映にぴったりの映画なのかもしれない。

でもやっぱり、ドリームキャッチャー大好きの私としては、何一つ新鮮なところがなく、こじゃれた演出の一つもないのは不満だった。
# by 44gyu | 2005-09-07 15:52 | ★★★
公式サイト

去年の「ドーン・オブ・ザ・デッド」は、あからさまなB級映画の「ハウス・オブ・ザ・デッド」とたいして変わらない、TVゲームの実写版のような薄っぺらい出来に個人的にはガッカリしたが、今回は本家ジョージ・A・ロメロが監督しただけあって、ストーリーもちゃんとしてるし、ゾンビ達のキャラクターも愛嬌ありすぎて憎めない。
主人公達の格好や行動から78年版「ゾンビ」のギャング達の、ショッピングモール襲撃前の話のようにも思った。そして個人的にレオナルド・ディカプリオ主演の「ロミオ+ジュリエット」での好演が印象的だった、ジョン・レグイザモがチョロ役で出演していたのがうれしかった。
78年版「ゾンビ」、去年の「ドーン・オブ・ザ・デッド」にも出演していたトム・サヴィーニは、今回もナタを持ったゾンビ役で出演していて、エンド・クレジットで名前が流れてきたのでびっくり。

とは言ってもやはり、どうしても音楽も映像も今っぽくなって、78年版を観た時のような異様なショックは得られない。それにメッセージ性も強いが少しくどいようにも感じた。
しかし「私もゾンビの役をぜひやってみたい!」と思わせるようなゾンビ達は、皆個性的すぎて怖さには欠けてしまっているものの、怖いだけではないホラーの楽しさを満喫できたと思う。
# by 44gyu | 2005-09-05 17:36 | ★★★

ノロイ

公式サイト


ネタバレ


日本のホラー映画や怪談話のおもしろみは、ずばり「他人の不幸」なんだと思う。
「リング」も「呪恐」も「渋谷怪談」も、「実はこの場所ではこんな不幸があったのです」という凄惨な過去が語られている。その凄惨さもホラーのみどころの一つだと思う。凄惨であればあるほど私達は彼らに同情し、彼らの怨念の強さに納得がいくのだ。また実話系の怪談話や心霊スポット紹介でも、その土地や人物にまつわる不幸話はたいていセットになっている。
幽霊や怨霊はたいてい不幸な死に方をしたり不幸な人生を送った人達で、彼らの不幸話も日本ホラー、怪談のだいご味でもあるのだ。そんな他人の不幸やプライバシーに好奇心を持ってしまうことへの罪悪感が、恐怖の源にもなっているように思う。

個人的にそんな風に日本ホラーをみていたので、この映画の結末にはちょっとびっくりさせられた。
はっきり言ってしまうが、この映画の恐怖の黒幕は、黒魔術集団みたいな人達と、伝説の鬼だったようだ。同じく黒魔術集団とか悪魔とかが黒幕であることの多い洋モノホラーっぽいなと思った。
しかし宗教感覚も、土着の民俗感覚も希薄になった我々に、「黒幕は鬼でした」とか言われても全然リアリティを感じないような気が・・・。なぜそんな奇抜な結末にしたのかがとても気になった。

結局、何を怖がればよかったのかというと、「恐怖の鬼の復活」ってことなのか。鳩が異様に寄ってきたら要注意ですよ、とか。うーん、それってどうなのよ。

またドキュメンタリー調の作りはおもしろかったが、テンポが悪くて途中でダレた。実際のオカルト番組はもっと胡散臭くてハイテンションでテンポが良いから面白いのに。
# by 44gyu | 2005-08-31 14:13 | ★★

ロミオ&ジュリエット

あらすじなど

甘〜い。砂糖で書いたような「ロマンチック」。ストーリーはもちろん甘いけど、こういう大甘の美術は大好物なので、映像を観てるだけでも楽しい。銃ひとつとっても細部まで凝っていて、制作者のこだわりに感心するばかり。特に女子の部屋(ばあやの部屋含む)は、デコラティブな宗教グッズが大量にごちゃごちゃと並べられ、花柄の家具が乙女らしさをさらに引き立てている。2人の最後のシーンなんか、クライマックスらしく、この映画の中でも最高にかわいらしくて甘い。このシーンは最もロマンチックな物語の、最もロマンチックなシーンだと思うが、私が今まで観たことのあるこのシーンの背景は、けっこう殺風景なものばかりだったと思う。今回は永遠の悲恋らしい、ため息が出るような美しい演出に、感動も高まる。
ジュリエット役のクレア・デインズは、写真で見ただけだとなんだか冴えない感じの女の子だなあと思っていたのだが、動いているとお嬢様らしい品のよさとおっとり感がこの映画のジュリエットにぴったり。若いレオナルド・ディカプリオは文句なしに美しく、ロミオとしてジュリエットをみつけるまなざしが、甘いだけでなく真直ぐひたむきで、心を打つ。2人とも若いカップルの美しさとあやうさを見事に表現しきっている。
一番好きなシーンは、2人の出会いのシーン。言葉も少なく、ほとんど互いの顔をただ追うだけの演出なのだが、吸い込まれるように惹かれる合う2人の気持ちがストレートに伝わって感動的。有名な後の悲劇を思うと切なさも加わって、奥の深いとても美しいシーンだと思う。
「タイタニック」でもディカプリオの美しさには驚かされたけど、この映画のディカプリオも「タイタニック」と同じかそれ以上に美しい。甘い役が似合う人なんだろうなあ。彼の甘い演技がもっと観たい。気狂いはもう良いから。

見始めは、凝った映像と舞台調のセリフに、狙い過ぎて外してるんじゃないかと不安だったが、ジュリエットのいとこ・ティボルトが出てくるあたりから不安は解消されてきた。どうしても時代を感じさせる原作を、大仰な演出で違和感なく見せたアイデアは大成功だったと思う。美術も、物語も、演出も全てが美しく、可愛らしく、何度観ても飽きない映画だ。
# by 44GYU | 2005-08-10 18:49 | ★★★★

ギャザリング

あらすじなど

ネタバレ





キリストの処刑を見物しに来ていた不届きもの達が、2000年後の現在も罰を解かれず、世界中の不幸を見物し続けている、というのは新鮮でがおもしろかった。宗教ものといっても、聖書をもとにした派手な殺人鬼や悪魔が出てくるわけではないが、映画内で石像空間がこつこつ発掘調査されていくのと同じように、じわじわ真実が分かっていく過程も、主人公らと同調できておもしろい。一緒に発掘しているようなワクワク感があるのかもしれない。
それにしても不幸見物集団って、すごい悪趣味集団。そんな中にクリスティーナ・リッチがいる、というのはハマりすぎてると思った。

しかし細部に至ってはホラー映画の定番が多すぎて、ちょっと残念だった。例えば主人公が記憶喪失、田舎町のお祭り、児童虐待など。中でも一番は神経質になっている無口な少年の存在。おまけに喘息持ちときた。これだけ定番が揃えば、だいたい話と展開は読めてきて、ちょっとがっくりしてしまう。
# by 44gyu | 2005-08-09 19:08 | ★★★